有限会社新福青果
代表取締役社長 新福朗さん

15年くらい前から農福連携には取り組んでいました。やはり人手が足りないというのが大きな理由です。
最初は福祉事業所に農作物を運んで作業をしてもらう形でしたが、今は、こちらに出勤する事業者さんが2社、持ちかえる事業所さんが4社くらいですね。
ここで作業をしてもらうほうが目が行き届くのでスムーズだったりします。繁忙期は8社から10社に増え、人数も200人を超える時もあります。私たちの会社にとって欠かせない存在となっていますね。

半年ごとの作業スケジュールを福祉作業所さん伝えるようにしています。事前に把握できることで、福祉作業所さんも予定が組みやすいと言っていただけます。
また、賃金についても定期的に見直し、出来るだけ要望に応えるようにしています。密にコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことが大事ですね。

卸先のスーパーによっては、袋詰めのグラム規定が厳しかったり、シールの位置が少しずれても返品になったりと品質を一定にすることに苦労しました。
最近ようやく変わって着て、グラム数の幅が広がったりと取引先の理解も進んできました。働く側に合わせる「ゆるさ」を持つこともコツの1つだと考えています。

個人差はありますが、皆さん1つの作業に集中するととても早いです。僕が2袋詰める間に5袋詰めるんですよ。
ベテランさんになると芋の品種もしっかり覚えていて間違いを指摘されたりもします。

夏に向けて大きく作業場のリニューアルを計画しています。
大規模な機械化を行いますが、人を減らすための導入ではなく作業する人達がケガなく快適に作業できるようにすることが目的です。冷暖設備や休憩所も整えていきたいですね。
また、持ち帰って作業をしてもらっている福祉事業者さんにも、機械の導入を予定していたりと、今後も良い形で連携が出来るよう取り組んでいきたいと考えています。

福祉作業所ベストライフさんの芋の選別風景。
正確な作業なので安心して任せられると新福社長。

特定非営利活動法人
三股福祉作業所 そら
職業指導員 有馬勇一さん

新福青果から車で15分ほどの三股町にある福祉作業所で、男性12名、女性8名、18歳から56歳の方が働いています。
新福さんの仕事以外にも車のパーツ組立、椎茸の選別など能力に合わせて様々な作業をしています。

芋を新福青果さんから持ち帰り、洗って袋詰めにする作業をしています。
実際の売り場の写真を見せたことでモチベーションが上がり「こうしたほうが売れるよ」と利用者さん同士で声をかけながら楽しんで作業をしてくれています。
また、新福青果からシルクスイートという美味しいサツマイモを買い取って焼き芋にし、地元の道の駅などで販売もしています。先日のイベントでも完売で、大変人気が高いんですよ。

芋の選別、計量、袋詰め、結束まで、作業全部利用者さんに担当してもらっています。職員は施設長と私が男性であとは4人の女性職員さんで日々の作業をサポートしています。
芋を袋詰めする際、入れ過ぎてパンパンになってしまうこともありましたが、女性職員さんが作業台にテープを貼り、テープとテープの間に置いた分だけを入れるようにするとミスもなくなりました。
女性ならではの目線で細やかなところに気が付いてくれるのでとても助かっています。

何でも話しやすく信頼できる間柄、という新福社長と有馬さん。

新福青果のサツマイモをみんなで洗浄中。
寒空の中、和気あいあいの雰囲気で楽しそう！

シルクスイートの焼き芋は上品な甘さで大人気。
三股駅の「よかもんや」や山之口町の道の駅で販売中。

洗ったサツマイモを1つずつ丁寧に並べて乾燥します。真剣な表情！